【症例紹介】僧帽弁閉鎖不全症と診断されたトイ・プードルちゃんのケース

  • 2025.04.29

今回は、僧帽弁閉鎖不全症と診断されたトイ・プードルちゃん(仮名:モコちゃん)の症例をご紹介します。

モコちゃんのプロフィール

  • 犬種:トイ・プードル
  • 年齢:10歳
  • 性別:女の子(避妊済)

来院時の主訴

飼い主さまより、「最近よく咳をするようになった」「疲れやすく、散歩をすぐにやめてしまう」とのことでご来院されました。

診察・検査結果

  • 聴診で心雑音(グレードⅢ/Ⅳ)を確認
  • 胸部レントゲン検査にて軽度の心拡大と肺血管のうっ血傾向
  • 心エコー検査で僧帽弁の変性と血液の逆流(MR)を確認

→ 僧帽弁閉鎖不全症(ステージB2)と診断しました。

治療内容

  • 血管拡張薬(ACE阻害薬)
  • 強心薬(ピモベンダン)
  • 食事管理と定期的な心臓チェック

お薬を開始してから2週間ほどで咳の頻度が減り、元気や食欲も改善。現在は3か月ごとの定期検診で経過観察を続けています。

飼い主さまの声

「心臓病と聞いてとても心配でしたが、薬のおかげで症状が落ち着いて、モコが元気に過ごしてくれていて本当に安心しました。これからも一緒に穏やかな毎日を過ごしていきたいです。」


僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気ですが、早期発見と適切な治療で、わんちゃんの生活の質(QOL)を保つことができます。シニア期の小型犬では特に注意が必要な病気ですので、気になる症状がありましたら、早めの受診をおすすめします。